いつかこういうニュースが
世の中をにぎわすと思っていた。

いわゆる「バーンアウト」。
燃え尽き症候群というもの。
たぶん、この職員は一人ひとりの接し方を
ものすごく気を使っていたのだと思う。

この人にはこの方法がよいと聞いたから、それを実践する。
しかし、それがうまくできない。
毎日思い悩む。
一人の人の介護が終われば、別の人の介護が待っている。
ある意味、流れ作業のように。
時間通り決められた時間割の中で
一人何分といった具合に「業務」をこなしていく日々。

本当はこんなはずじゃない。
わかっている。
だけど・・・。

頭の中で、きっと葛藤したんだろうな。この人は。
ものすごく真面目で、理想はものすごく高かったんだと思う。

そしていつしか爆発してしまったんだ。
自分が一番望まない
「老人を支える」のではなく
「老人を殺める」ことをしてしまったんだろう。

この人はきっと、この後もずっと自分のしてしまった行為に
悩み苦しむだろうと思う。



社会福祉の現場につく人は皆、理想を胸に抱いて職場に就く。
「多くの人の、役に立ちたい」と。

そして現場に出ると、学校で学んだ理想論と
現実の違いを知り、
本当は変えなければいけないと思いつつも
現状になじむことで精一杯になる。

そしていつしか、現実に慣れていく。
そして理想を忘れていく。

きっとそうしないと自分を守っていけない。
理想を変えようとする行動力と精神力があれば
別問題なのかもしれないけど。

友人で介護職に就こうとしている友人は多い。
「老人と話をするのが好きだから。」

確かに、私も同じことを思う。
だから近からず遠からずの病院を職場に選んだ。


介護職の環境向上については、難しい問題だと思う。

私の知り合いの先生に
「介護はロボットがすればいい」という先生がいる。

昔から福祉を考えてきている先生は、そんなこと許すものかと
先生を批判している。
人には人のぬくもりが大事だから、と。

しかし、人が人を支えるのにも限界があるということを
このニュースが示しているのではないかと思う。

あくまでも、述べているのは私の見解であって
正解があるとか間違っているとかではないと思うが、
このニュースから考えるべきことはたくさんある。

私はこう考えただけの話。

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理想と現実の違い。
まだ理想しか知らない大学生は、これから現実を見て
悩み、苦しむことから始まるのかもしれない。

実習で施設を見たところでそれはきっと現実じゃない。
期限付きだから。
しかし、今から私が向かおうとするところは
期限など、ないのだから。